大腸ポリープとは
大腸の粘膜の一部がイボのように隆起してできる組織を大腸ポリープといいます。大腸ポリープはそのまま放置しておくと大腸がんになる場合があり、ポリープのうちに切除してしまうことで大腸がんになることを予防することができます。内視鏡で切除したポリープは回収して組織検査を行います。
大腸ポリープの症状
大腸ポリープは自覚症状がほとんどないため、確実に大腸ポリープを発見するためには直接大腸内を観察できる大腸カメラ検査を受けることが大切です。
早期発見・早期治療を心がけましょう
大腸がんができる主な原因は二つあり、一つは遺伝子の異常であると考えられています。二つ目には外的要因です。外的要因とは年齢(50歳以上)、家族歴(家族に大腸がんの罹患歴がある)、肉食傾向、高カロリーな食事、肥満、過飲、喫煙などがあげられます。日々の食事の中で脂肪の摂取を減らし、野菜や果物などバランスのよい食事を摂ることが望ましいです。無理のない範囲で日常的に適度な運動を心がけることも大切です。
40代以降の方は一度、大腸カメラ検査を受けていただくことをおすすめします。また、ご家族に大腸がんの罹患歴がある方がいらっしゃる場合は定期的な検査をおすすめします。
大腸ポリープの切除について
当院での大腸ポリープの切除は、日帰り手術として内視鏡検査と同時にできます。ただし、ポリープの大きさや患者様の全身状態・服薬状況により日帰り切除が困難な場合には、入院での治療が望ましいため信頼できる提携病院をご紹介しています。
切除方法
内視鏡スコープから切除器具を出して、ポリープを切除します。当院では合併症の危険がほとんどなく安全な、コールドポリペクトミーという方法で切除します。ポリープを切除するときは、通常は痛みを感じないためご安心ください。
コールドポリペクトミー
コールドポリペクトミーとは高周波電流のような熱を加えずにポリープを切除する方法です。粘膜を傷つけずに治療ができるので術後の出血や腸の穿孔などの合併症の危険性が低くなっています。
ポリープの大きさや患者様の全身状態・服薬状況によりコールドポリペクトミーが困難な場合には、入院での治療が望ましいため信頼できる提携病院をご紹介しています。
切除後の注意点
大腸ポリープ切除手術後は、出血や合併症を避けるため、帰宅後の安静を保つことが大切です。事前の食事制限や下剤の影響で検査後は低血糖や脱水症状を起こしやすい状態です。医師による許可が出たら、水分や糖分を摂るようにしてください。ご帰宅後、便に少量の血液が混じることがあっても、自然と止まるので心配ありません。ただし、出血量が多い、痛みを伴う場合はすぐにご連絡ください。その他、日常生活でご注意いただきたいことは次の通りです。
食事
召し上がるものは普通食で構いません。ただし、香辛料などの刺激物や肉類などの脂肪分の多い食事はお控えください。
アルコール
飲酒は一週間程度控えてください。お酒は血行を促進させ、切除部位から出血させてしまう場合があります。
入浴
手術当日はシャワー程度で済ませ、長時間の入浴はお控えください。翌日からは制限なく普段通りに入浴できます。
運動
運動は散歩程度にとどめ、激しい運動や腹圧のかかる運動は一週間程度お控えください。ジョギングやゴルフ、水泳も含まれます。その他の運動についてはご相談ください。