便潜血検査(血便)とは
便潜血検査とは、何らかの影響によって出血した血液が便に混ざっていないかを調べる検査で、大腸がんを調べる検査項目のひとつです。便潜血二日法では進行がんの約80~90%を発見することができるといわれています。便潜血検査が陽性であっても自覚症状がなければ、そのまま放置してしまう方もおられますが、この検査で陽性反応が出た場合、大腸内視鏡検査を受診することをおすすめします。
大腸がんとは
大腸がんとは、大腸の粘膜に発生するがんです。ほとんどの大腸がんは、良性の大腸ポリープから発生するので、大腸ポリープの段階で切除すれば大腸がんの予防になります。大腸がんはがんに罹患する人の中では胃がん、肺がんに次いで3番目、女性では乳がんに次いで2番目に多いがんであり、日本人にとって身近ながんのひとつです。大腸がんは食生活の欧米化などによって年々罹患数が増えており、死亡原因としても上位を占めています。日本人は、S状結腸や肛門に近い直腸にがんができやすいと言われています。大腸の粘膜に発生する大腸がんは進行すると、大腸の粘膜に深く侵入し、大腸の壁の中のリンパ液や血液の流れに乗ってリンパ節や肝臓、肺など別の臓器に転移したりします。
便潜血陽性は、便に微量の血液が含まれていないかを調べる検査です。陽性となれば、大腸内視鏡検査で大腸がんの有無を調べる必要があります。実際に陽性の方が検査を行って見つかる病気の多くは大腸がんではないことも多くあります。大腸がんで陽性が出るのは出血を生じているがんであり、進行がんがあっても出血していなければ陰性の結果が出ることがあります。
造影剤を使ったX線検査
大腸の病変をチェックするための検査です。肛門から大腸に造影剤を注入し、X線撮影を行う検査方法です。一般的な検査方法ですが、大腸内視鏡検査とは違い微細な病変や発見しにくい場所の病変は見逃すことも少なくありません。また、X線検査の場合は組織採取による病理診断ができません。そのため、気になる病変があった場合には、改めて内視鏡検査を受ける必要があります。
大腸カメラは、早期発見可能な唯一の検査です
大腸内視鏡検査の利点は、大腸粘膜を直接観察でき、疑わしい箇所の組織採取をして病理診断で確定診断ができることです。大腸がんは早期に発見できれば、体の負担の少ない方法で適切に切除することで完治可能な病気です。当院での大腸内視鏡検査は、検査と同時の日帰り手術も可能なので、仕事や日常生活への影響も最小限に抑えられます。大腸ポリープは放置すると大腸がんになる可能性があるものもあり、大腸ポリープの切除は大腸がん予防にも繋がります。当院では最新鋭で高性能の内視鏡システムを導入し、経験豊富な医師が検査を行っております。また、不安や痛みを最小限にとどめるため苦痛のない検査を心がけております。苦手意識のある方も安心してご相談ください。
便潜血陽性はお身体からのサインです
便潜血検査は、大腸がん以外にも出血を生じる多くの疾患で陽性となため、大腸がん以外の疾患の早期発見にもつながります。便潜血検査陽性は、身体からの重要なサインであり、結果が出た時点で大腸内視鏡検査を受けられることをお勧めします。
便潜血検査陰性でも定期的な大腸カメラ検査を受けましょう
便潜血検査で陰性でも大腸ポリープや早期がん、進行がんが存在することはあります。大腸がんが進行した状態であっても、出血していなければ陽性になるわけではないため、10~20%は陰性になってしまいます。大腸がんの発症リスクが上昇する40歳を超えたら症状がなくても定期的に大腸カメラ検査を受けることをお勧めします。